代理日記そのよん

昔はドリルと言えば男の浪漫だった。
敵の攻撃を掻い潜り、鈍い輝きを放ちながら装甲をぶち抜く螺旋は、魂の象徴だったと言っても過言ではない。

しかし最近は、ドリルが萌えの記号になっているような気がしてならない。
メイドさんやメカ少女の右腕を、まるごとドリルに換装する。
少女の愛らしさ、清楚さの中に、金属的で暴力的なドリルが加わる事によって、萌えが高められる、と言うことなのだろう。

いや、無論それが悪いとは言わない。メイドさんは人類の宝だ。
しかし、上記のような萌えによってドリルと言う言葉に本来内包されていたはずの漢(オトコ)らしさが薄まってはいないか、と思う。
そう思って以来、私にとってドリルは真の男の浪漫足りえなくなった。

今の私にとっての男の浪漫……それは、パイルバンカーである!

火薬の炸裂音とともに放たれる鋼鉄の槍が、相手の装甲をものともせずに撃ち貫く様を想像しただけで、心が躍る。
ヴァンツァーのように腕に取り付けて良し、アルトアイゼンのように無骨な回転弾倉つきで装備して良し。はたまた、手持ちにしても良し。
運用方法だってこのように多種多様である。

他の武器に比べれば、まだまだマイナーではあるが、私の今の一押しの武器は、間違いなくこのパイルバンカーである。

……だからなんだといわれても困るわけだが。